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メニュー画像1私が犬に対して出来る限り罰を使わない理由About Punishment

犬に対して罰を使うことは決していけないことではありません。
しかし、私は飼い主様に罰を使うことをお勧めしていません。それは下記のような事柄によるものです。

罰そのものでは犬に正しい行動を教えることができない

罰そのものでは犬の問題行動を止めることができるかもしれません。

しかし同時に犬に対して「何をしてほしいのか」「何が正解なのか」を教えることは出来ないのです。

それは犬にとってとても”分かりずらい”ものです。

犬によっては混乱して異なる問題行動を誘発するかもしれません。

人間と犬は残念ながら話すことは出来ません。

そのため、出来る限り犬に対して”分かりやすく教える”必要があります。

タイミングが難しい

これは罰に限ってではありません。褒める時にもとても重要なことです。

犬は自分の行動と3秒以内(書籍によっては1秒以内とも言われています)に起こる出来事とを結びつけると言われています。

例えば、”おすわり”ができたことに対して褒める場合は地面にお尻がついてから3秒以内に犬にとって良いことが起こるようにします。

そうすれば、犬は地面にお尻を付けると良いことがあると考え、おのずと地面にお尻を付ける行為が増えるようになります。

しかし、おすわりをさせてから、4秒、5秒と経過してから褒めればそれは、犬によっては「おすわりの姿勢を維持していたことに対して褒められたのか」と考える犬もいるかもしれません。

それは罰を与えるときも一緒です。吠えている犬に対して叱るつもりが叱るタイミングで犬がこちらを向いたとすれば、犬は「飼い主の方を向いたことに対して叱られた」と勘違いするかもしれません。

もしもその時の罰が犬にとってとても大きなものであった場合はその後、飼い主の方を見ることをためらうことも予想されます。

タイミング一つで状況が大きく変わる”リスク”を伴っていることを忘れないでください。

犬が不適切な行動をした際に必ず叱らなければならない

私が罰を使わない最大の理由がここにあるといっても過言ではありません。

罰を使ったトレーニングは犬が不適切な行動をした際に必ず叱らなければならないのです。

なぜならば、犬にとって”叱られなかったこと”は逆に言えば”良いこと”ですよね。

犬の本能上、自分の行った行動に対して「時々良いことがある」この状況はその行動をどんどん定着させるものなのです。

なので、必ず罰を与える必要があるのですが、まず現実的に難しいということがご理解いただけると思います。

罰を与える際の強弱が難しい

罰を与える際の力強さはとても重要です。

まず、犬にとって罰の力が弱かった場合に起こりうる問題として、最初は効果があったとしてもまた、時間が経過したら行動を起こしたり、何よりも”罰に慣れる”ことが起こります。

最初の力強さでは効き目がなくなり、どんどん強めていくという悪循環を生むこととなります。

また、犬にとって罰の力が強すぎた場合は、犬を怖がらせることに繋がります。

犬は常に「いつ叱られるか分からない」という気持ちを持って生活することになります。

そのような犬の特徴として”自発的な行動”が見られないことがあります。勝手な行動が罰へつながることを恐れて動けないのです。

そうなってはとっても可哀そうですよね。飼い主様も愛犬にはのびのび暮らしてもらいたいという願望が必ずあるはずです。

まとめ

上記のようにしっかりと罰を使いこなすには、犬が不適切な行動をした場合には
その行動に対して、必ず、3秒以内に、適正な力強さで

叱る必要があります。リスクもあります。これはトレーナーでも難しいことです。

私は老若男女ができるリスクのない方法で行っていますが、罰は誰でも適正にできるとは思いませんし、安全性からも進めることは出来ません。

ただし、罰を使うことがいけないことだとは思っていません。罰を使うこともあります。

代表的なところでは「無視をする」ということです。飛びついてきたときに無視をする。甘噛みをしてきたときに遊びをやめる。などなど。

もちろんですが、この場合には同時に「何をしたら良いのか」を並行して教えていきます。

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